タイガーマザー
ある方のブログで紹介されていたタイガーマザーという本を読みました。
アメリカで中国式?スパルタ教育を二人の娘するアメリカ移民二世の母親の話です。
もちろん本人は超優秀、二人の娘は優秀な上にピアノ、バイオリンの才能が抜群です。
いわゆる天才児です。
その教育方針はスパルタです。
努力をたゆまずすること、そして子供に無駄に選択権を与えないのです。
もちろん甘え、反抗も許されません。一日5時間のピアノもしくはバイオリンのレッスンを旅行中でも欠かしません。
今、日本で流行っている、甘えさせる、自尊心を大切にするといった教育とは対極にあります。
だからこそ刺激的で面白い内容でした。
彼女のやり方はやり過ぎだと感じるところはありますが、正しいところもある。
何かをなし得るためにはつまらないとも感じる努力が先にあるという事実を親は知りつつも子供の自尊心を尊重してという言い訳で「子供にやらせる」ということを放棄していないか、とエイミイは読者に向かって問うのです。
(確かに天才浅田真央だって、練習をしたくないと言った日もあっただろうし、それを押して練習し続けさせた親がいたわけで・・・)
また、子供には無限の力がある。弱いと決め付けてはいけない、ともいいます。
彼女のインタビューをみると、少し本とは違うことを言っている気もします。
本では、彼女の強固が自分の考えを押し付けるとも取れるやり方が正しいと言っているように聞こえますが、インタビューでは、最後には私も折れて、欧米式、個人個人を大切にした育児(教育)で選択権を与えてもいいといいます。
この本は育児書ではないのです。
一人の個が子供を育てるのに際し、子供の反抗とも真っ向に立ち向かいつつ、考え、がんばる母の姿そのものなんです。
自分にあてはめるとしたら・・とすごく悩む部分はあるのですが
Amy Chua自身が言っているこの言葉は素敵なんだと思います。なんていうか、自分の経験をさらすと同時に多くの悩める母を励ましてがんばっていこうじゃないか、という印象をうけます。
I think we should assume strength in our children, not weakness.
I genuinely believe that there are many ways of being a good parent. We all want our kids to grow up happy, strong, and self-reliant. But different cultures have very different ideas about the best way to do that. And we should all be able to learn from each other.
ちなみに、私は本当にうたれ弱く、母の「駄目だね」的な言葉に深く傷つきやる気をなくすタイプでした。
非常に扱いづらい子供だったようで、それを子供なりに感じていて、私なんていなければいいんだ。母もそう思っている。とよく思っていました。
ちなみに大人になってから、
「私のやることなんて、全部反対してきたじゃない?私を自分の思い通りにしたかっただけじゃないか」と言ったら心底驚かれました。母的には、私のためを思っていた制限も私にとっては理解ができなかったのです。
成績もいい方と生易しいのではなくて、一番でなくては、的な母の価値観にはついていけず、ドロップアウトとまではいきませんが、自分って駄目なんだなーと思って育ってきた感もあります。
一方、姉は叱咤激励でどんどん伸びるタイプで、学年で一番はもちろん、州で一番になって地方の新聞にのったり、T大に入ったり、と優秀でした。
姉にはこの叱咤激励はとても良かったのかもしれません。
と、どうでもいい話になってきましたが、少しは私は親とは和解していると思いますのでご安心あれ。
Amyはことあるごとに家族を愛しているからこそ、こうするんだと愛を伝えています。
それはいいことなんだなーと思います。
また自分の親が正しいと思っているからこそ同じことを子供にもするのだと言います。
私はひねくれてしまったからこそ、どうやって育てるか、悩むのです。
今となってはわかることもある。でもやはり子供時代(青春)は短くてその子供時代の楽しい思いを享受する権利が子供にはあるのです。
人生に成功も失敗もないといいますが、幸せになってほしいと思う。
その幸せとは何なのか。とっても考えることがたくさんの本です。
色んな考え方があるのだということを考えさせる本です。お勧めです。
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